


1. 乳がん治療とお金
乳がんに限らず、がんの治療にはお金がかかります。
公的な医療保険があるとはいえ、自己負担分の支払いが高額になることもあり、
長期間の治療にもなるので、経済的負担を軽くするための制度を利用しましょう。
高額療養費制度を知っていますか?
高額療養費制度は1か月間に医療機関や薬局の窓口で支払った額が、
一定額を超えた場合、その超えた金額を支給する制度です。
支給の対象は、保険適用される医療費に対し、患者さんが自己負担した額になります。
入院時の食費や差額ベッド代、先進医療にかかる費用等は、対象にはなりません。
【例:100万円の医療費で窓口負担が3割(30万円)の場合】

自己負担の上限額は年齢と所得によって異なります。
■70歳未満の場合(平成27年1月1日より)
所得区分 | 1か月の負担の上限額 |
年収約1,160万円超の方 健保:標準報酬月額83万円以上の方 国保:年間所得*901万円超の方 |
252,600円+(医療費-842,000円)×1% (多数該当** 140,100円) |
年収約770万円超〜約1,160万円以下の方 健保:標準報酬月額53万以上83万円未満の方 国保:年間所得600万円超901万円以下の方 |
167,400円+(医療費-558,000円)×1% (多数該当 93,000円) |
年収約370万年超〜約770万円以下の方 健保:標準報酬月額28万以上53万円未満の方 国保:年間所得210万円超600万円以下の方 |
80,100円+(医療費-267,000円)×1% (多数該当 44,400円) |
年収約370万円以下の方 健保:標準報酬月額28万円未満の方 国保:年間所得210万円以下の方 |
57,600円 (多数該当 44,400円) |
住民税非課税の方 | 35,400円 (多数該当 24,600円) |
*年間所得とは、前年の総所得金額及び山林所得金額並びに株式・長期(短期)譲渡所得金額等の合計額から
基礎控除(33万円)を控除した額(ただし、雑損出の繰越控除額は控除しない)のことを指します。
**診療を受けた月の前11ヶ月以内に、3回以上高額療養費の支給対象となっている場合の限度額
■70歳以上の場合(外来だけの上限額もあります)
所得区分 | 1か月の負担の上限額 | ||
外来(個人ごと) | |||
現役並み所得者 (月収28万円以上などの窓口負担3割の方) | 44,400円 | 80,100円+(医療費-267,000円)×1% | |
一般 | 12,000円 | 44,400円 | |
低所得者 (住民税 非課税の方) | 下記以外の方 | 8,000円 | 24,600円 |
年金収入のみの方の場合、年金受給額80万円以下など、総所得金額がゼロの方 | 15,000円 |
申請はご自分が加入している公的医療保険へ。
健康保険組合や市町村国保などご自身が加入している公的医療保険へ高額療養費の支給申請書を
提出することで、支給を受けられます。病院などからの領収書の添付を求められる場合もありますので、
領収書は大切に保管しておいてください。支給までには少なくても受診した月から3か月かかります。
加入する医療保険から事前に「所得区分」の認定証を発行してもらうことで、
病院の窓口での支払いの際に、自己負担の上限額までにとどめることもできます。
詳しくは加入している公的医療保険や病院の相談窓口、会計までお問い合わせください。